○薬事法施行令の一部を改正する政令について
(平成23年3月24日)
(各都道府県知事あて厚生労働省医薬食品局長通知)
「薬事法施行令の一部を改正する政令」(以下「改正政令」という。)については、平成23年3月24日に平
成23年政令第31号として公布され、平成23年7月1日より施行されることとなったことから、貴職におかれては、下記事項について十分御留意の上、貴管
下関係業者等に周知徹底を図るとともに、適切な指導を行い、その実施に遺漏なきを期されたい。
記
1 改正の趣旨
薬事法(昭和35年法律第145号。以下「法」という。)第14条の4第1項第1号に規定される新医薬品
(以下単に「新医薬品」という。)に係る法第14条第6項に規定する期間を経過するごとに行われる調査(以下「定期適合性調査」という。)及び同条第9項
において準用する同条第6項の規定による調査(以下「一部変更調査」という。)のうち、同条第1項の承認の取得後初めて行われる定期適合性調査(以下「承
認後初回の定期適合性調査」という。)の実施後に実施されるものを都道府県知事に移譲するもの。
なお、本改正は、構造改革特区第15次提案「新医薬品の製造販売承認後に係るGMP調査(医薬品等の製造所
における製造管理及び品質管理の方法に関する基準適合調査)の実施主体の拡大」を受け、平成21年11月21日付け構造改革特別区域推進本部決定で「規制
所管省庁において今後検討を進める規制改革事項等」と措置区分されたことを踏まえたものである。
2 改正の内容
(1) 薬事法施行令の一部改正(薬事法施行令第80条関係)
薬事法施行令(昭和36年政令第11号。以下「令」という。)第80条第2項第7号ニにおける新医薬品について、法第14条の4第1項第1号の規定による再審査を受けていないものに限るとしていたものを、初回の定期適合性調査を受けたものを除くとするものに改めたこと。
これにより、従来、新医薬品については、承認時及び承認後再審査結果が通知されるまでの間は、独立行政法人
医薬品医療機器総合機構(以下「機構」という。)が定期適合性調査及び一部変更調査を行っていたが、そのうち、承認後初回の定期適合性調査の実施後、再
審査結果が通知されるまでの間の新医薬品の定期適合性調査及び一部変更調査については、都道府県で行うこととなるもの。
なお、本改正による都道府県への権限の移譲の理由は、
@ 承認の要件としてGMP適合性を確認する観点から、承認前の適合性調査で実生産バリデーションにより確認された製造実態が、承認後に実際に製造販売される製品を製造する段階でも問題なく機能しているかを確認する必要がある一方、
A 初回の適合性調査を受けた後は、安定的な製造がされていると考えられることから、承認前の調査権者と違う調査権者が調査を行っても問題ないと考えられること
によるものである。
(2) 施行期日(附則第1項関係)
上記(1)の取扱いについては、平成23年7月1日から施行することとしたこと。
(3) 経過措置等(附則第2項関係)
改正政令の施行前に、令第22条第1項の規定により厚生労働大臣に対してされた申請に係る法第14条第6項
(同条第9項において準用する場合を含む。)の規定による調査については、初回の定期適合性調査を受けた新医薬品であって、法第14条の4第1項第1号の
規定による再審査を受けていないものについては、なお従前の例によること。
これにより、平成23年6月30日までに機構に申請された適合性調査については、移譲対象の新医薬品の定期適合性調査及び一部変更調査であっても、機構で実施するものであること。
3 施行にかかる留意事項
(1) 各都道府県における調査の準備について
各都道府県においては、今回の改正により移譲される定期適合性調査及び一部変更調査にかかる事務が新たに増えることから、円滑に業務を行うことが出来るよう、調査申請から調査結果の通知までの標準処理期間を十分に考慮した上で、調査計画を立てること等準備を進められたい。
(2) 各都道府県管下の製造販売業者への協力要請について
各都道府県管下の製造販売業者に対して改正について周知を行う観点から、政令改正から施行まで3か月程度の
期間を置いているところ。貴職におかれては、貴管下の製造販売業者が製造販売する新医薬品において、平成23年度中に定期適合性調査又は一部変更調査の申
請を予定している新医薬品であって、今回の改正により都道府県が調査を行うこととなるものがある場合は、その品目を製造する製造業者を所管する都道府県で
調査の必要があるため、この期間に当該品目名、調査希望時期等について連絡すること等、各都道府県での調査の円滑な実施への協力を貴管下の製造販売業者に
要請されたい。
なお、今般の都道府県への権限の移譲の理由を踏まえて、機構に申請する承認後初回の適合性調査については、承認後の製造実態等が十分に確認される状態になってから申請するよう、貴管下の製造販売業者に要請されたい。