○新医薬品の承認申請資料適合性書面調査の実施要領について
(平成18年1月31日)
(薬食審査発第0131010号)
(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知)
新医薬品に関する書面による承認申請資料適合性調査につきましては、独立行政法人医薬品医療機器総 合機構設立後の実施要領を平成16年3月31日付薬食審査発第0331010号厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知「独立行政法人医薬品医療機器総合機 構設立後における新医薬品の承認申請資料適合性書面調査の実施要領について」(以下「適合性書面調査通知」という。)により示しているところです。
今般、薬事法及び採血及び供血あつせん業取締法の一部を改正する法律(平成14年法律第96号)、 薬事法及び採血及び供血あつせん業取締法の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令(平成15年政令第535号)及び薬事法施行規則等 の一部を改正する省令(平成16年厚生労働省令第112号)等が施行されたことに伴い、適合性書面調査通知を別添のとおり改正することとしましたので、貴 管内関係業者等に対し周知いただきますよう御配慮願います。
なお、本通知の施行に伴い、適合性書面調査通知は廃止します。

(別添)
新医薬品承認申請資料適合性書面調査実施要領
1.目的
本要領は、薬事法(昭和35年法律第145号。以下「法」という。)第14条第5項(法第19条の 2において準用する場合を含む。以下同じ。)の規定に基づき、薬事法施行規則(昭和36年厚生省令第1号。以下「規則」という。)第42条第1項に規定す る医薬品の製造販売承認申請(承認事項の一部変更承認申請を含む。以下同じ。)に際し添付された資料(以下「承認申請資料」という。)が、医薬品の安全性 に関する非臨床試験の実施の基準に関する省令(平成9年厚生省令第21号)に示された基準(以下「医薬品GLP」という。)、医薬品の臨床試験の実施の基 準に関する省令(平成9年厚生省令第28号)に示された基準(以下「医薬品GCP」という。)及び規則第43条の規定(以下「申請資料の信頼性の基準」と いう。)に従って収集され、かつ、作成されたものであるか否かについて、厚生労働省又は法第14条の2第1項(法第19条の2第5項及び第6項において準 用する場合を含む。以下同じ。)の規定に基づき、薬事法施行令(昭和36年政令第11号)第27条第1項に定める医薬品について厚生労働省から委託を受け た独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「機構」という。)の担当職員が書面により行う調査及びこれに伴う手続きを定めることを目的とする。
2.調査の方法
厚生労働省及び機構は、承認申請資料が医薬品GLP、医薬品GCP及び申請資料の信頼性の基準に従って収集され、かつ、作成されたものであるか否かについて、当該資料の根拠となった資料(以下「根拠資料」という。)に基づき、調査を実施する。
3.調査の対象となる承認申請資料及びその根拠資料
(1) 原則として、規則第40条第1項第1号のロ、ハ、ニ、ホ、ヘ及びトを調査の対象となる承認申 請資料とする。ただし、当該承認申請資料が既に承認申請資料として提出され調査を受けたものである場合、又は当該承認申請資料が、既に承認されている品目 に添付されていた承認申請資料である場合を除く。
(2) 機構が調査を行う場合にあっては、規則第40条第1項第1号のロ、ハ、ニ、ホ及びトについ て、承認申請資料から抽出して調査を実施する。この場合、調査の結果、信頼性に重大な影響があると厚生労働省又は機構が判断する場合は、抽出されなかった 承認申請資料及びその根拠資料も対象とすることができる。
(3) 独立行政法人医薬品医療機器総合機構法(平成14年法律第192号)第15条第1項第5号ロ の規定に基づく機構による医薬品GLP適合性調査が行われており、医薬品GLP適合確認書の発行日が当該承認申請の日から3年以内で、かつ、医薬品GLP 適合確認書の評価結果が評価Aの試験施設において実施された試験成績をもとに作成された承認申請資料、又は当該医薬品GLP適用試験の開始前に機構の医薬 品GLP適合確認書の評価結果について評価Aを取得し、評価Aの適合確認書の有効期間内(継続して適合確認申請が提出され、適合確認が得られている場合を 含む。)に当該試験が終了している場合に当該GLP適用試験の試験成績をもとに作成された承認申請資料については、原則として根拠資料のうち最終報告書を 対象とする。ただし、当該承認申請資料が最終報告書と相違ないものである場合には、調査対象としない。
(4) 規則第40条第1項第1号のトについては、治験実施計画書及びその作成・変更に関する資料、 治験依頼先選定に関する資料、治験の依頼・契約に関する資料、モニタリングに関する資料、副作用等の報告に関する資料、症例報告書、集計・解析に関する資 料、治験成績に関する資料、治験薬の管理に関する資料、治験総括報告書及びこれらに関連する書類等の根拠資料を対象とする。
4.調査の主体
(1) 機構が調査を行う場合
承認申請に際し、機構に対し規則第54条に基づき、承認申請資料適合性に係る承認申請資料適合性調査申請書が提出されている場合
(2) 厚生労働省が調査を行う場合
次のいずれかに該当する場合に、承認に際して行う審査の一環として行うことができる。
ア 根拠資料が搬入されない等の理由により、機構による調査が実施できない場合
イ 承認申請資料について信頼性に疑問がある等の理由により、医薬食品局長が調査を実施する必要があると認めた場合
5.調査担当者
(1) 原則として、機構による調査は、機構の職員が調査を行う。
(2) 原則として、厚生労働省による調査は、厚生労働省医薬食品局の職員が調査を行う。
6.機構による調査の手続き
(1) 機構は、調査に着手した際には、申請者に対して資料詳細目録(申請者名、申請品目名、添付資料名、識別番号又は記号、項目名、搬入の可否、搬入しない場合にはその理由、作成年月日を記載したもの)の提出を指示する。
(2) 申請者は、機構に資料詳細目録を提出した際に、調査日程等について打ち合わせを行う。
(3) 申請者は、申請後、調査実施までに、承認申請資料について訂正が必要となった場合には、正誤表、訂正理由及びそれ以外の箇所については基準に適合していることを確認した厚生労働省医薬食品局審査管理課長あての文書の正本1通及び写し1通を機構に提出する。
(4) 調査の打合せ後、機構は、申請者に対して調査日程等を通知する。
(5) 申請者は、搬入・搬出責任者指名書を調査実施当日に提出する。搬入・搬出責任者は、機構へ搬入した根拠資料を管理し、搬出する時に、搬入した資料の全てを確実に搬出した旨を確認した後、搬出確認書を提出する。
(6) 申請者は、搬入・搬出責任者以外の者を調査に同席させることができる。同席を希望する場合には、立会者指名書を調査実施当日に提出する。
(7) 機構は、調査を中断する必要があると判断した場合には、申請者にその旨通知する。また、中断が解除されると判断した場合には、申請者に調査を再開する旨通知する。
(8) 機構は書面調査後、必要に応じ審査担当部門と調整の上、申請者に対して照会事項を連絡する。申請者は照会事項について機構が指定した期日までに回答を提出する。
(9) 機構は照会事項の回答を検討し、結果を取りまとめ、調査終了について申請者に通知するとともに審査管理部門に連絡する。
7.厚生労働省による調査の手続き
(1) 厚生労働省による調査を実施する場合には、あらかじめ、申請者に対して調査日程等を通知する。
(2) 申請者は、搬入・搬出責任者指名書を調査実施当日に提出する。搬入・搬出責任者は、厚生労働省から指定された場所へ搬入した根拠資料を管理し、搬出する時に、搬入した資料を確実に搬出した旨を確認し、搬出確認書を提出する。
(3) 申請者は、搬入・搬出責任者以外の者を調査に同席させることができる。これを希望する場合には、立会者指名書を調査実施当日に提出する。
8.調査結果の通知及び報告
(1) 機構が実施した調査の結果の通知
機構は、審査終了時に審査報告書とともに、次に示す事項を記載した規則第55条第1項に基づく様式による通知書により、厚生労働大臣あて調査結果を通知する
ア 調査対象承認申請資料名
イ 調査を行った承認申請資料名
ウ 調査時に発見した事項
(2) 厚生労働省が実施した調査の結果報告
厚生労働省は、次に示す事項を記載した調査結果を医薬食品局長に報告する。
ア 調査対象承認申請資料名
イ 調査を行った承認申請資料名
ウ 調査時に発見した事項
9.厚生労働省が実施した調査結果報告の評価及び調査結果に基づく措置
厚生労働省は、同省が実施した適合性書面調査及び実地調査の結果をもとに、承認申請資料の基準への 適合性について総合的な評価を行い、承認申請資料が基準に不適合であると判断した場合又は資料の一部が基準に不適合であると判断した場合には、当該資料の 全部又は一部について承認審査の対象から除外することができる。この場合、厚生労働省は、申請者に対して予定される措置の内容及びその理由を通知する。申 請者は、その内容を確認し、意見がある場合には、厚生労働省が指定した期日までに承認申請資料の信頼性に関する立証資料の提出、その他必要な説明を行うこ とができる。
10.調査に必要な手数料の納入手続き等
機構が実施する調査の手数料については、薬事法関係手数料令(平成17年政令第91号)に定められている額を、調査申請に際し機構の口座に払い込むこと。なお、払い込んだことを証する書類の写しを調査申請書の裏面に貼付する必要があるので注意すること。
11.再審査又は再評価資料の書面調査について
法第14条の4第5項又は法第14条の6第5項に規定される再審査申請に添付された資料又は再評価 申請に添付された資料の適合性書面調査については、2〜10の規定を準用する。なお、3については、書面調査に先立ち平成16年3月31日付薬食審査発第 0331013号・薬食安発第0331001号厚生労働省医薬食品局審査管理課長・安全対策課長通知「独立行政法人医薬品医療機器総合機構の設立に伴う医 療用医薬品のGPMSP実地調査に係る実施要領について」に定めるGPMSP実地調査(製造販売後臨床試験に関する医薬品GCP調査を含む。)を行った場 合は、その結果を考慮すること。また、再評価に係る書面調査の手数料については、10.の規定は準用しないものとすること。